タニシと聞くと水槽のお掃除屋さんということをよく聞きまよね。
タニシは水槽の中にある汚れやコケ、食べ残し・糞などを食べて水槽の中をきれいにしてくれるから水質がよくなって、魚が住みやすい環境にしてくれます。
後はたまぁ~に田舎のほうで 昔にタニシを食べていた・・・・なんてことも聞いたりしますが( ̄ー ̄)
ということで今回はタニシの種類についてです。
タニシと一言で言っても種類が何種類かいるのでタニシによって食べる量も違えば、生態も違います。
大体はあまり変わりませんが、タニシだと思っていても本当は違う偽物も存在するので注意が必要ですね。
(タニシじゃなくても増えるだけなので害はありませんが・・・)
なので今回は日本に生息しているタニシとそのほかの巻貝を紹介します。
コンテンツ
タニシってどんな生き物?
タニシは1~8㎝程度の大きさをした淡水に生息する巻貝で
主食はコケや藻類、水底にある糞や食べ残しなどの有機物を食べる雑食性
タニシは壁にへばりついたコケ類を削り取って食べ、水底の有機物を除去して、水中に漂う植物性プランクトンをエラで集めてろ過摂食を行う為 水槽のお掃除屋さんとして有名です。
このためある程度の環境でも生存できるため水質の悪化や水温の変化にも強くて飼いやすいですが、
自然界では農薬の使用や生活排水の混入、河川工事などで個体数が減少していて種によっては絶滅危惧種に指定されているものもいるほどです。
一応食用にも向いているようで泥を吐かせたのちに寄生虫対策で加熱すると食べられるようです。
肉食の大型の魚ではない限り混泳も可能なので生命力のタフさも相まって水槽に金魚などと一緒に飼っている人も多いですね。
マルタニシ
(引用:チャーム)
マルタニシは日本でタニシといわれる巻貝の中で最も一般的なタニシです。
マルタニシは大きさは4~6㎝程度でコマ型の6層の殻を持ち、本州~九州まで全国ほとんどに生息しています。
他のタニシ同様に水中の植物プランクトンをろ過摂食して、コケや水底の有機物を食べてくれるため水槽のお掃除屋さんとして大活躍する。
他のタニシと比べると大型で同じオオタニシと比べても殻が横に丸みを帯びているのが特徴
全国の河川や沼、水田の用水路でその姿を見られますが、水質汚染の影響で個体数が減っているため絶滅危惧種2類に分類されています。
オオタニシ(ヤマトタニシ)
(引用:チャーム)
オオタニシははヤマトタニシとも呼ばれている。
北海道~九州のほぼ全国に分布していて、大きさ約4~7㎝とその名前の通りで日本固有の最大級のタニシになります。
マルタニシと比べると大きさこそ似たり寄ったりですが、マルタニシよりも螺塔(らとう:渦巻状の貝殻)の間の溝がはっきりしているのが特徴になっています。
オオタニシは稚貝の時はそろばんの珠に形がそっくりで成長したらてっぺんのとんがりがなくなって、丸みを帯びます。
でも中にはそのまま成貝になってもとんがりがそのままの数珠状の形をしたオオタニシを(カクタニシ)と呼ばれることもあります。
他のタニシ同様で結構温度変化や水質悪化にも強いですが、
極端に環境が悪化すると死んでしまうので水質汚染や護岸工事などの影響で個体数が減少していて、準絶滅危惧種(NT)に指定されている。
ナガタニシ
(引用:市場魚貝類図鑑)
ナガタニシは琵琶湖に生息している固有種
他の大型のタニシと比べても約7㎝と背が高く長いのが特徴。
ただ生息域は琵琶湖周辺の川や水田に限られるので他のタニシとは違って広域には分布していないのも特徴ですね。
ただオオタニシとマルタニシ同様に長い以外の特徴がほとんどないため、個体の中にはあまり長くない個体もいるため判別が難しいものもあるようです。
とはいえ他のタニシと同じように水槽で掃除屋さんとして活躍してくれるので、近畿地方に住んでらっしゃる方にはオススメです!
なので他のタニシと変わらず水槽で他の魚と一緒に飼うことが可能ですね。
ヒメタニシ
ヒメタニシはタニシの中でも小柄で一般的な大きさが約3.5㎝程度で本州~九州までの地域で生息しています。
ヒメタニシも他の同様で判別が難しく、形は他のタニシよりも殻が尖った円錐状でマルタニシよりも小さいのが特徴です。
ただやはり個体差で特徴が異なるので個体によっては判別がかなり難しいものもあります。
水槽で魚と一緒に飼うのは小さいながらもろ過能力やコケ取り能力が高いことから人気が高いタニシです。
水質の変化にも強いことから生命力が強いことがうかがえますね。
カワニナ
カワニナは聞いたことがあるのではないでしょうか?
カワニナもタニシの仲間でよく蛍の幼虫の餌として知られています。
カワニナは他のタニシとは違って細長い形をしています。
カワニナは水がきれいで水温が冷たい川に生息することが多く、ある程度は汚れにも強いようですが、他のタニシよりはデリケートといえます。
自際にホタルの餌であるカワニナの減少によってホタル自体も個体数が減少しているところを見るときれいな水の方が得意なのは確かです。
カワニナの中にもオオカワニナやチリメンカワニナなどの種類はありますが、地域差がけっこうあるらしく、大きさや模様などの違いで判別が難しい。
ひとくくりに細長いタニシ=カワニナでいいと思います。
水槽に入れてタニシと同じようにお掃除屋さんとして買うことはできますが、他のタニシと違って大きさが小さくコケを食べる量が多くないです。
それにろ過摂食もしないので水中に漂うプランクトンも食べないようなのでほぼ観賞用といってもいいでしょう。
なので他の大型のタニシと一緒に飼うのが良いと思います。
ジャンボタニシ(スクミリンゴガイ)
(引用:小田川箱根経済新聞)
スクミリンゴガイは俗にいう(ジャンボタニシ)と呼ばれている外来種の巻貝
大きさは約5~8㎝の貝で雑食性ですが、基本的に水槽内ではコケはあまり食べずに植物性プランクトンも食べないのでろ過摂食もしないのでお掃除屋さんとしての役目はあまり果たせません。
姿は似ていますが。タニシとは違う生き物になりますね。
普通のタニシと違ってよく田んぼで稲がこのジャンボタニシに食害されるということで農家の人から駆除対象されています。
これもタニシと違っているところでジャンボタニシはピンク色の房状の卵を産み付けます。
この卵には神経毒が含まれているので他の生き物から捕食されることは少ないです。
原産地が南アメリカということで寒さに弱く、分布は西日本で広く分布しています。
逆に東日本では気温が低すぎて、越冬できないため生存できないようです。
(元々食用として日本に輸入されたものが繁殖しているので、神経毒のある内蔵を取り除き耳で洗い流しあとで、寄生虫の可能性を考えて加熱すると食べることができるようです。
食べたことはないですが、よくサザエみたいで結構おいしいらしいですwww)
モノアラガイ
(引用:貝の図鑑)
モノアラガイは淡水に生息する小型の貝類で大きさは約2㎝程度
卵型の殻を持ち雌雄同性なので他個体がいるだけで交尾し、繁殖することができるのでタニシよりも繁殖力が強いのが特徴
タニシと同じようにコケ類や藻類、有機物を食べますが、成長しても2㎝という小ささと繁殖力の強さから買った水草についてきて気づいたら増えていたということがあるので見た目が大切なアクアリウムを楽しむ人たちから嫌われています。
とはいえタニシよりも水質の悪化や水温の変化には弱いらしく、日本の固有種のモノアラガイは準絶滅危惧種(NT)に分類されていて
ジャンボタニシのような他のスネールとは違って稲を食害することがないです。
日本固有のモノアラガイは環境変化に弱く、ジャンボタニシを駆除するための農薬などにやられるため貴重な淡水貝になっていますね。
サカマキガイ
(引用:貝の図鑑)
サカマキガイはモノアラガイの仲間で姿形がとても似ています。
(逆巻き)の名前の通りで一般的な巻貝は右巻きであるのに対して、サカマキガイは左巻きであることが特徴になっています。
サカマキガイはヨーロッパ原産の外来種で、タニシと同様にコケ類や藻類・有機物・ろ過摂食で栄養を取るためモノアラガイと違い水質の変化や水温の変化に強い
なので繁殖力が強く汚水でも生存できる関係で汚い水質を調べるための指標にされているほどです。
水槽内部では基本的に水をろ過するバクテリアさえも食べてしまうことから害虫として見られていて、汚い環境であるろ過層に住み着いて繁殖してしまう為駆除する対象として見られています。
ヒラマキガイ
(引用:チャーム)
ヒラマキガイは殻が薄く、小型で蓋も持たない巻貝(中にはかなり大型になる種もいます。)
主食は藻類や落ち葉、水底の有機物を食べる。
ヒラマキガイは雌雄同体で汽水や淡水の水域に生息して寿命は数か月~3年と短命です。
雌雄同体で自家受精もできるので単体でも繁殖できるので繁殖力は強く、水質が合うとドンドン増えていきます。
エラ呼吸ではなく肺呼吸するので時々水面に呼吸孔を伸ばして呼吸します。
ペットショップに売っているレッドラムズホーンやブルーラムズホーンなどもこのヒラマキガイの仲間です。
品種改良で色んな色のラムズホーンがいてアクアリウムに入れると派手な色で目立つので観賞用にメダカやグッピーなどと一緒に飼う人もいます。
ただやはり繁殖力が強いのがネックであまり増えすぎてしまうようなので、そうなったら外観も損ねるので間引く必要が出てくるでしょう。
フネアマガイ
(引用:チャーム)
アマガイの仲間であるフネアマ貝は汽水域に生息している別名(淡水のアワビ)
寿命は2~3年程度で大きさは小柄な約3㎝
タニシよりも高いコケ取り能力を発揮してくれることで有名で日本では紀伊半島以南の汽水域に生息している。
アワビ同様に吸着力が強いので壁から無理に引きはがそうとすると殻が取れて☆になってしまうので注意
またひっくり返るとタニシのように自力では起き上がれないので餓死する可能性もあります。
スネールと同じく卵での繁殖ですが、卵は汽水域でしか孵化できないので淡水での繁殖は難しく、基本的に淡水の水槽の中でも増えないのも人気の一つですが、
コケ取り能力が高い反面あまりたくさん水槽の中に放しすぎるとエサであるコケが不足してしまうので餓死する可能性があり、たくさん水槽で飼うことはオススメできません。
日本では紀伊半島以南に生息しているということもあって温暖な気候に適した種なので、寒い地域で飼うにはヒーターが必要になる。
他にも水底に潜って水草を掘り返したり、タニシよりもコケ取り能力が高い反面、寒い環境への適応が弱いので特に水温に気を付けないといけない貝になっています。
イシマキガイ(カノコガイ)
(引用:楽天市場)
イシマキガイはアマガイと同じように紀伊半島以南の汽水域に生息しているカノコガイの仲間
約2㎝程度半球体の殻を持っていて、カノコガイではカラフルな模様をもつ個体も存在しますが、
汽水域よりも上の淡水域では長く生活できないのでイシマキガイの方が淡水魚の飼育には向いているといえます。
アマガイと同じく淡水内では卵は産み付けますが、孵化しないので増えることはなく、
イシマキガイは純淡水でも生活することができるので水槽内でお掃除屋のタンクメイトとして飼う人もいます。
カワニナとともにホタルの幼虫の餌にもなる貝です。
タニシとジャンボタニシその見分け方は?
ということで日本に生息しているタニシの仲間とスネールの仲間を紹介しました。
タニシとスネールでは姿形が違うだけで生き方が全然違うので注意が必要ですね。
ジャンボタニシは一般的にはコケや植物性プランクトンはあまり食べない雑食性ということで、水槽のコケ取りには使えませんし、外来種なので川に返すのもいけません。
ではタニシとジャンボタニシの見分け方ですが、
- タニシに比べてさい孔が窪んで深くなっている。
- ジャンボタニシはピンク色の房状の卵を産み付けます。
取るときに付近にピンク色の卵房があったらジャンボタニシの可能性が高いです。
もしも取ってきても水槽の中を動く姿を見て異様に触覚が長いようで、移動スピードが速いようだったらジャンボタニシを疑いましょう!
一応ジャンボタニシは南アフリカ原産なので寒い地域では生きていることができないので生息地は関東から下の西日本に分布が集中しています。
東北地方や北海道にはまずいないと考えていいでしょう。
コケ取り最強として名高いフネアマ貝ですが、淡水でも生息できるのでコケをガンガン取ってほしい人にはオススメです。
ただ寒さに弱いようなので北国での飼育にはヒーターが必須言っていいでしょう。その点ではタニシは越冬できるのでタニシの方が強いと思います。